あああああ

許された子どもたちのあああああのネタバレレビュー・内容・結末

許された子どもたち(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

罪を犯してしまったにもかかわらず、罪を許され(てしまっ)た子供たちは罪とどう向き合うべきかという作品。

全員胸糞。全員大嫌い。人間の嫌なところがまざまざと描かれている。以下ピックアップ。

主人公である加害少年キラを育てた過保護な母親。息子を守る術を間違えてしまった愚かな母親。嘘をつき、罪を隠蔽し、贖罪の機会を奪った。

与えられた仕事だけをまっとうするために、まだ静神的に未熟な子どもたちを脅し、事実を捻じ曲げ、やはり贖罪の機会を奪った弁護士。そしてそれを見て見ぬ振りした弁護士。

裁判のシーンでは被害少年の遺影を“不要物”呼ばわりしたり、想いが溢れ出た遺族に対してのあまりに血の通っていない対応も見ていて辛かった。

そしてネットや転校先の同級生による正義を笠に着た私刑。それは自分より弱いものをいじめることで加虐欲を満たす自己中心的な行いで、やっていることは結局加害者と変わらない。それによって加害者一家が居場所を転々とし遺族に皺寄せがいっていることにも気づかない。

また、いじめに気づかないのか気づいて無視しているのかどちらにせよ解決しようなどという気がないのにいじめをテーマにグループディスカッションをさせ、それが新たな火種を生んでいることにも気づいていない教師。やはり子どもの更生や贖罪の機会を奪う存在。

全員共通して他者を慮る気持ちがない。加害者も、傍観者も、社会も、何も違わない。同罪エゴイスト集団。

勧善懲悪モノは好き。でも、キラ一家が加害者から一転被害者へと変わっていく様を見て、「因果応報。ザマァ見ろ。」とは思えなかった。し、そう思うべきではないと思った。でもこれが現実だったら、自分が遺族の立場だったら、負の連鎖を断ち切ろうなんてこと言えるだろうか…綺麗事だろうか…

あと、加害少年たちが全員キラキラネームなのは実際にあった事件から着想を得ているのだろうか?キラキラネームを理由にいじられ、いじめられ、心を歪められた子どもが救いを求めて自分より弱い立場の存在を作り、いじめる。負の連鎖。そんなとこだろうか。現実的で悲しい、そんな想像ができてしまうのが辛い。

綺麗な終わり方もしないし、何が解決するわけでもない、どこまでもリアルで苦しくなる。全員胸糞で、全員大嫌いだけど、自分の中にあるエゴイストな部分と向き合った時に、「嫌いだ。胸糞だ。」だけで終わらせていい話ではないと思った。誰もが向き合うべき。教育的映画。
あああああ

あああああ