Tatsu

許された子どもたちのTatsuのレビュー・感想・評価

許された子どもたち(2019年製作の映画)
3.7
力作。2、3年をかけて、ワークショップを重ね完全自主体制で撮った、テーマ的にも内藤英輔監督の集大成。『先生を流産させる会』『パズル』『ミスミソウ』など、未成年の暴力を主題として取り上げ、その暴力に対する真摯な向き合い方(故に容赦ない描写となることも含め)と、高い倫理観がベースとしてあったということが、今作と、その丁寧な制作過程にて確認できる。毎回内藤監督のある種の惜しい部分である、脚本の詰めの甘さなど、今作も散見されつつ、重く社会派なテーマなのは重々承知で、まずオリジナル脚本としてめちゃくちゃ面白く、130分を牽引する引力を持っていたと思う。役者の顔と、それを切り取るカメラの力強さ、早送りやスローモーションよりも、寧ろ切り返しなどの場面が映える。ただ、それでもやはり、露骨なネット掲示板描写などのデフォルメされた描写は、特に後半にかけてかなり気になった。
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