影山影司

カーゴの影山影司のネタバレレビュー・内容・結末

カーゴ(2017年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

原作無しとして観たら凡作、原作有りとして観たら駄作。
原作知ってて見ると無駄な引き伸ばし作品だったし、あれほど有名な原作を持ってきたのだからラストやタイトル回収に至るまでに何らかのギミックが必要なのに何もなかったのにはズッコケた。

そもそもあれほど目的地に肉薄していて協力者(一応頭打って歩けないという説明はあるが)あるならカーゴする意味が薄い。原作で「娘のために先の見えない道をただひたすら進み続ける」とした美しさが薄れてしまった。
道中で色々やる中での成長というのも、原作にあった「死んでも娘を安全な世界へ連れて行く」という純然たる意思を薄めてしまったようで非常に残念。

ゾンビワールドのEDは薄っすらとした希望を残すのが良い。ヘリコプターで行ける所まで旅立ったり、船で無人島を目指したり、今の危険を脱出して少し良い方向に進むけどまだまだ困難は続くよ、というのがあの世紀末ワールドのキレイな落とし方だと思う。
それが「ここは人里離れた森のなかでアボリジニは皆で楽しく暮らしてますよ〜。時々ゾンビ狩りに遠征しますよ〜」にして泣ける音楽なんて流したら余韻が台無しじゃないか。

粋じゃないにも程があるぜ!
影山影司

影山影司