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三度目の殺人のparfaitのネタバレレビュー・内容・結末

三度目の殺人(2017年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

自分が手に入れた断片的な情報を組み合わせて納得しやすい物語を紡ぐ。それがその人にとっての本当になる。裁判所は精神的に経済的に都合のいい物語を作り上げる場所なのか。
誰にも言えなかったことが私にもあって、私にとっての本当と周囲の人にとっての本当が違う、目を背けたいことからみんなが目を背けられるように私は重大な悲劇を誰にも言わなかった、そうやって私が隠し通すことによって、世の中で共有される物語が良い話になった。私の正義感と満足感を犠牲に。
「自分はいるだけで人を傷つける」という台詞にも共感。生まれてこなければよかった、でも自分が提供した断片によって重盛が紡ぐ物語が「良い話」になったのなら誰かの役に立つことができた。紡がれる物語が本当かどうかではなく「良い話」かどうかで役に立つかどうかが決まる、そんな諦めの人生観。
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