せな

三度目の殺人のせなのネタバレレビュー・内容・結末

三度目の殺人(2017年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

死刑に至る病とか羊たちの沈黙っぽくて面白


三隅の殺害動機と3度目の殺人の3度目は誰なのかについて様々な解釈があるけれど、殺害動機は特になくて(人の心が移ろうのを楽しんでる)、咲江の心を殺したのが3度目にあたるっていう解釈が1番しっくり

三隅の供述は二転三転するし人によって人物像も違う
公判で意見を変えたら死刑になることはわかっていたはずなのに、供述を変えることで咲江に発言させようとしなかった
それによって咲江は三隅が死刑になったことを自分のせいだと思い込む(一生自分を恨む)ことで咲江の心を殺したことが3度目の殺人
3度目ということは1回目と2回目が同じ犯人じゃないと3度目とはいえないから、裁判官の判決によって三隅が死刑になることが3度目には当たらないと思う

三角は空っぽの器のような人間だからこそ色んな人格になり得ることができるサイコパス
だから重盛が解釈した動機はちがうんじなないか

最初の面会の段階で、1番堅そう(感情を依頼主に移入しなさそう)な重盛をターゲットに、人間味をひっぱりだして心を弄んでいたんじゃないのかなー
重盛はそれに気づかず、正しいと思った行動をとった結果、犯人の思惑にはまる上に咲江の心も死んでしまったのだから、「お前のような弁護人のせいで犯人はおかした罪と向き合うのを妨げる」ってあの時言われた言葉痛いだろうな

ヒソヒソ目配せしてた裁判官たちは黒いにしても、初めから合わせていればこの事態は免れたわけだし、でも初めからその選択をとっていれば、黒く染まった自分を責めて生きることになる
その矛盾が救いようもなくていいね、生々しい
せな

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