まるよ

三度目の殺人のまるよのレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
4.5
是枝監督作品としては異例の心理サスペンス。
「三度目の殺人」のというタイトルが何を意味しているのか、それが知りたくて楽しみにしていた試写会。
とにかく真相がわからない。会うたびにコロコロと証言を変える。三隅という人間がどういった人間なのか、何が目的なのか、全くつかめないままグングン引き込まれた。
見所は何をおいても、三隅と重盛のやり取り。ガラス越しに手を合わせるシーンなんかは、三隅が何を意図しているのかわからず警戒したし、この時に完全にイニシアチブを取られた重盛の戸惑いが伝わってきて、目が離せなかった。
自分を信じられるのかと迫るシーンは2人の熱のこもった演技で緊迫感がすごかった。クライマックスではやるべきことを終えて落ち着いた表情の三隅と、三隅の狙いに乗った重盛とが重なり、ついに理解しあえたのだとわかった。
「三度目の殺人」の意味は途中で気付いた。切ない殺人だった。

いろいろと考えさせられる内容で、モヤっと好きとしては幸せな余韻だった。
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