このレビューはネタバレを含みます
9月23日土 24:00スクリーン3
B列10番
裁判官に送った手紙の理由が面白かった。
「憧れていたんですよ」って。
是枝監督の映画を好ましく感じるのは、伝え方が静かだから。人を見下さず、見上げもしない。インタビューで語っていた目線についての考え方に、とても感心したりした。
最近は、どういう経験を経て、人は優しくなったり、他人の事を理解しようとするようになるのかって、考えてる。
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「法廷は真実を解明する場所ではない と言われたんですよね。そんなの誰にもわかりませんからって。ああ、そうなんだ、面白いなと思ったんです」
「でもサスペンスや法廷劇は本来、神の目線がないと成り立たないジャンルですよね。それなのに僕はやはり神の目線を持ちたくなかったので、そのせめぎあいで苦悩しました 笑」
「殺したのかどうかは、途中まで決めていませんでした。」
「今回は犯罪映画のルックを目指して、いままでのナチュラルなライティングではなく、光と影のコントラストを強調しました」
「真実が何かわからないなかで、人が人を裁いていかなければ維持できない不完全なシステムを、私たちの社会は内包しているということですよね」
「作りながら見えてきたものをそのまま映画にしているので、作り方はこれまでと同じだったかもしれませんが、映画について考えるうえでは非常に贅沢な経験をさせてもらいました」
「そのうちきっと新しいことに挑戦できなくなるときが来るはずなので、このタイミングでこういう作品を撮ることができてとても楽しかったです」