弁護士の父は子どもに利用されます。
悪事をはたらく親をもつ子は憎み、苦しみます。
殺人の容疑者は赤の他人を娘のように可愛がります。
"自分は生まれてきてよかったのか"
"生まれてこなければよかった人間がいるのか"
色んな家族の形を作品にしてきた監督ですが、本作はそれ以前の"生まれてくるってどういうこと?"みたいなそんなことを考えさせられました。
全然違うけど、最近、北欧ミステリの『制裁』というのを読みました。"司法が裁かないから自分が裁く。それをみんな望んでる。でもそれって悪なの?正義なの?"そんなことを考えさせられる作品だったわけですが、本作でも裁判に対する批判的表現がみられるように"悪いやつはどう裁くのが正しいのか"、そもそも生まれてこなければよかったのか、なんて表現をどうとらえるか、本当に難しいテーマだなと思いました。