Peter

三度目の殺人のPeterのレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
3.3
この映画は、いたって非合理的だ。誰が何を何のためにしたのか結局分からないまま、ただ一人の人間が裁かれる。それはあたかも、理由を全部作中で説明しようとする物語へのアンチテーゼのようで、そういう意味では賛否両論も頷ける。
とはいえ、実際に現実は得てして理不尽なものだし、むしろ全てに理由があるとする昨今の作品こそが、現実と乖離していて、非合理的と言えるのかもしれない。だからこそ「生まれなければ良かった命などない」という、倫理的に真っ当な主張でさえも鼻で笑われるし、そこに本作の姿勢が集約されているように思える。
Peter

Peter