日本アカデミー賞取ってるけど、他作品と比べたら今イチ話題になってないような気がして…。
なんとなく、理由が分かりました。
難しすぎるんですね、これ(苦笑)。
是枝監督が殺人物?と半信半疑ながら、サスペンスとして引き込まれる展開には舌を巻きました。
とはいえ、本来の見処はやはり人間性。
どの作品を見ても、それが彼特有の醍醐味なんだと実感できる辺りさすがです。
近年の日本映画をグローバリズムに総括すると、アニメかチャンバラか是枝か、と言っても過言ではないぐらい、日本人ならではの繊細さと奥深さを表現している方だと思います。
福山さんは、この監督だとルックスが目立ちませんよね。あの、いい意味で(笑)。
これまでで一番実力が発揮されていたようにお見受けしました。
そして、本作を掌握していたのが役所さん。
彼の演(や)りようで、脚本も加筆されたりしたのではと邪推するほどの訴求力。
まさしく邦画界の首位だよなぁと、納得せざるを得ませんでした。
すずちゃんはもう、是枝組って感じですね。
ただ『怒り』を観賞していた身としては、別の女優さんの方が既視感を覚えずに済んだかな。
そこまで非道な国ではないだろう、と思いたい(^-^;)
何の説明もなかったけど、三隅の実の娘って一瞬出てきた女性?も~、原作あるなら読みたい気分(苦笑)。
最後の最後の台詞で、さらに追い詰められましたね。
あれってどういう意味なのでしょう。
重盛の目線なら、“裁きの鉄槌を下す”とか…?
裁く者は裁かれる、か。
三隅に取り付かれた小生としては、それって役所さんのことなのでは…と穿ってしまうほどでしたが。
三度と言わず、何度も何度も反芻したい作品ですね。