ぶみ

ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれたのぶみのレビュー・感想・評価

3.5
2013年に起こったボストンマラソンテロ事件で両足を失ったジェフ・ボーマンが上梓した『Stronger』を原作とし、デヴィッド・ゴードン・グリーン監督、ジェイク・ギレンホール主演により映像化した伝記映画。
ボストンマラソンのゴール付近でテロ事件に巻き込まれた主人公が、犯人の目撃者となったことから、全米で称賛されるも、現実とのギャップに悩む姿を描く。
公開当時、劇場鑑賞した作品で、先日マーク・ウォールバーグ主演の『パトリオット・デイ』を観たこともあり、あらためて再鑑賞した次第。
本作品で何より素晴らしいのは、ボーマンを演じたギレンホールと、その恋人を演じたタチアナ・マスラリー。
テロに屈しない「ボストン・ストロング」精神の象徴として、いつの間にかヒーローに祭り上げられた主人公と彼を支える彼女の悲哀を見事に好演。
ヒーローなんかではなくではなく、市井の人であったからこそ、彼らを取り巻く家族や友人も、どこにでもいそうな人々であり、人間のダメさ加減を赤裸々に描いているのも、実話ならでは。
ただ、前述した『パトリオット・デイ』の原作が『ボストン・ストロング』で、本作品の原題は『Stronger』であるから、ややこしい。
ボストンマラソンテロ事件の裏で、一人の人間が成長していく姿に胸が熱くなるとともに、実話ベースのリアリティ溢れる演技に見入ってしまう一作。

ゴールにはジェフがいた。
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