ふたりの娘を育てるアルジェリア移民の母が、眠るまえ日記のようにアラビア語で書きつける詩の穏やかさ。
清掃婦や家政婦として働く仕事場では、無自覚の差別に晒される。フランス語が話せず娘たちとさえ溝が生まれる。それでもしなやかに強く在る母の姿影。
淡々と家事をこなしゆく描写と子への眼差しに『ジャンヌ・ディエルマン』、移民体験としてのフランス格差描写に“Mon amie Victoria”を想起。
“Jeanne Dielman, 23 quai du Commerce, 1080 Bruxelles” 1975
https://twitter.com/pherim/status/1524952360308588568
“Mon amie Victoria”(My Friend Victoria)https://twitter.com/pherim/status/1316941382389551111
『ファーティマの詩』は、フランス都市郊外に暮らす移民を撮る映画ジャンル“Le cinéma de banlieue”からのイスラーム映画祭初上映作。
森千香子さんのバンリュー映画トーク、レ・ミゼラブル団地ありケシシュ(↓引用RT先で特集スレ)あり、未見作も多く紹介され興味深く拝聴。
『身をかわして』“L'Esquive” &パリ郊外映画スレッド https://twitter.com/pherim/status/1234292194816606208
“ファーティマの詩”で、医学部の昇級試験に苦しむ娘は一方、通学中に男と出逢い恋に堕ちる。母が経験し得ない、洗練された時間がそこに流れる。
試験発表の掲示を待つ娘の背を見守る母。後日誰もいない掲示板の前で、母は静かに喜びを噛みしめる。最高の一場面。
(画像: https://twitter.com/pherim/status/1640156493264871424)
イスラーム映画祭8スレッド https://twitter.com/pherim/status/1623868263074787328