愛子

サマーフィーリングの愛子のレビュー・感想・評価

サマーフィーリング(2016年製作の映画)
4.0
夏の映画が観たくてサマーが付いているタイトルに惹かれ、あらすじを一切読まずに観てしまいまさかの展開に意図せずなみだがとまらなかった
鑑賞しながらずっと、吉本ばななさんのムーンライトシャドウのラストを思い出してた、
「あの幼い私の面影だけが、いつもあなたのそばにいることを、切に祈る。手を振ってくれて、ありがとう。何度も、何度も手を振ってくれたこと、ありがとう。」という最後の一節でいつもどうしようもなく涙がとまらなくなってしまうのだけれど、そのシーンと重なってしまってどうしようもなくなってしまった
亡くなってしまったひとはその瞬間に時が止まるけれど、のこされたひとは平等に針を進める時とともに生きていかなくちゃいなくて。それぞれが抱える悲しみと、すべてを染め上げる夏の光に照らされた風景のまぶしさ美しさが苦しい、それでも通り過ぎていく時間とともにすべては薄れゆき、そんなふうにしてひとは生きていくのでしょうきっと
「振り返す手よ生きていくことすべてまぶたの裏の消えない花火」という短歌が大好きで、自身のいまの心持ちそしてムーンライトシャドウ含めるこの映画への感想としてこの歌が何度も思い出された
愛子

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