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ブルーハーツが聴こえるのERIのレビュー・感想・評価

ブルーハーツが聴こえる(2016年製作の映画)
3.4
ブルーハーツが大好きだから劇場公開時に観に行きたかったのに調整できず観れなくてようやくWOWOWにて。彼らには何度救われたことか。

2015年のブルーハーツ結成30周年に才能溢れるクリエイターたちがつくるオムニバス映画。

★ハンマー(48億のブルース)Director 飯塚健さん。尾野真千子さんと、伊藤沙莉ちゃん萩原みのりちゃんが可愛い。28歳、20代最後の偶数のヒリヒリと追い込まれる一希は、彼氏が女とイチャイチャしながら歩いてるところを目撃しちゃう。同棲して3年。彼氏に惚れた弱みか怒ることもできずどんよりしていた。すっごいお腹空いてる時にUFOの湯切りミスれ!いい。ハンマー、名曲やな。

★人にやさしく Director 下山天さん。主演に市原隼人さんを迎えたSF作品。バキバキのアクションやった。ブルーハーツが好き!とおもって勝手な期待をもっていたらギャップがある作品かも。さすがに人にやさしくは、こういう世界で鳴ってないなぁ。観客に思い入れのあるものを題材にする難しさ。

★ラブレター Director 井口昇さん。冴えない映画オタクの少年が脚本家になって、当時好きだった彩乃のことを書いていた。想いが溢れすぎたその時、トイレを通じてパラレルワールドに入り込んでしまう。冴えない中学生役の斎藤工さんと要潤さんがめちゃおもろい。クセが強い。笑

ユーモアもあってそこに秘める想いはまっすぐで。山本舞香ちゃん可愛いなぁ。すごいよかった。好きな女の子からもらうブルーハーツの「ラブレター」泣く。本当ならば今頃ぼくのベッドにはあなたにあなたに居て欲しい。名曲。

★少年の詩 Director 清水崇さん。撮り方や音楽、映像も好みだ。昭和感いい。健は、鍵っ子でママと二人で暮らしてる。あの頃感じた言葉にならない退屈やママへの執着、大人たちに対する違和感がちゃんと描かれててとても良かった。

言葉にできない想いとか、なんだか許せないこととかあの時いっぱいもってたなぁ。思い通りにならなくてイライラしたりして少年はナイフを持って、たってたんだな。

★ジョウネツノバラ Director 工藤伸一さん。セリフのないショートムービーを実力派の永瀬正敏すんと、死人の役を水原希子ちゃんが。希子ちゃんの美しさが素晴らしい。静かで狂気的な映画だったから、パンクな情熱の薔薇と少しトーンが違うかもしれない。きっと描きたい奥で繋がってるのだと思うけれど。

★1001のバイオリン Director 李相日さん。豊川さんってやっぱり凄いなぁ。石橋杏奈ちゃんも引っ張りだこなのわかる。さすが李監督で、質感やテーマ、答えの見えない打ちひしがれる何に怒ってるのか、何に執着してるかもわからない、大きな憤りや寂しさに、ブルーハーツは聴こえてくるなぁ。エンドロールもとてもよい。それでも生きていく。大切な人と寄り添って。
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