死んで幽霊となってしまった男が、愛する妻を見守る話……だと思ったら違った。死者が何を思っているのか、という話でもなかった。
すごくSFっぽかったし、とにかく“虚しさ”を丁寧に映像化したらこうなる、っていう映画だった。
旧約聖書の『コヘレトの言葉(伝道の書)』を思い出した。
作中酔った男が「どんなに記憶に残っても地球は滅ぶし宇宙もなくなる」的なことを長々と語るシーンがあるんだけど、一見必要なさそうなあの台詞、見終わったあと考えると、あれはこの映画の本質な気がした。
とにかくBGMが少なくて、小鳥のさえずりや風の音が眠気を誘う映画だった。
展開も平坦だし、台詞も少ないし、寝ようと思えばすぐ寝れるね！寝なかったけど。
この映画を見ながら寝たらめちゃくちゃ心地いいだろうな……。
