Mila

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリーのMilaのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

最初の方は間の長さに慣れなかったけど、ゆっくり自分で考える演出は、対話できない幽霊に気持ちを重ねやすくてよかった。心を使わせられる素敵なラブストーリーだった。

主人公は幽霊だったけど、何を考えているかわからない「幽霊」ではなくて、天国に行けない魂のストーリーだった。だから、物理的な違いはあるものの、「戻ってこない人を待ち続ける人」という意味で、途中から幽霊かどうかは関係なかった。

最後に彼女が残した手紙に書いてあった言葉は、可能性としては2通りあると思う。「愛してる」的な内容(ふたりにしかわからない言葉だったかもしれない)で幽霊の心を溶かしたか、「ここにはもう戻らない」で先輩幽霊みたいに幽霊の希望を完全に砕いたか。

観客として、自分が幽霊だったとしてどちらの結末がいいかって考えたときに、どう考えても前者がいい。でも自分が彼女側だったら、自分のために後者を書いていたかもしれない。人と別れるとき、自分はどちらのメッセージを残せるかなって考えさせられた。
Mila

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