何故だかわからないけれど、
うまく言葉にできないけれど、
思い返すたびじわりと涙が浮かんでくる。
胸に刺さった棘は抜ける気配もない。
とても大胆で、シンプルで、シュールで、
だけど私にはダイレクトに感情が伝わってきた。
本当に不思議な感覚だった。
言葉はないのに、
手に取るように痛みも孤独も愛も深く深く感じられた。
ダイレクトすぎて虚無感極まりない。
影響されやすいタイプなので、
何かを爆食いしたい気持ちに駆られている。
画面の比率もすきだった。
時の経過の表現はとても新鮮で面白い。
この表現にハマったからこんなにもこの映画に引き込まれたのだと思う。
あっという間に経つ時間はGHOSTが
どれほど1人でこの地にいたのか
どれほどの孤独を抱えてきたのかを感じさせるし、
長回しのシーンは生きている人間の感情も、それを見ているGHOSTの感情も両方感じるために十分な時間が割かれている。
ルーニーマーラは本当に素晴らしい女優さんだと感嘆した。惹き込まれるような瞳と整ったお顔。背中もめちゃくちゃ綺麗だ。でもそれを超えて悲しみの演技が素晴らしい。息を飲んだ。
音楽も生活音も美しくて洗練されていて、素敵だった。永遠にサントラを聞いてしまう。
謎な点は多くて、きっとどこにも正解はないのではないかと思うが、それが心地よい。
A GHOST STORYだ。どこにでも有りうる話。だからこそしんどい。
こんなにも抱いた想いを大切に育みたいと思った映画ははじめてだ。
こんなにも感想がまとまらないのもはじめてだ。
まだまだこの映画について考えたい。出口のない問いを与えられた気がする。
最後に、ほんとうに癖が強いし、苦手な人はものすごく苦手そうな映画だが、わたしはこの映画がすごくすきだった。
この映画を好きだといってくれる人と結婚しようと思う。
