みおこし

ヘアスプレー ライブ!のみおこしのレビュー・感想・評価

ヘアスプレー ライブ!(2016年製作の映画)
3.8
定期的にNBCで放映される生放送ミュージカルの『ヘアスプレー』版。ブロードウェイ版を演じているので一部映画にはない楽曲など登場しますが、基本的には同じなのであらすじは割愛。

Filmarksを始めてから「世の中のミュージカル映画を意地でも制覇する!」という比較的現実味のある誓いを立て(笑)、初めて映画が”喋った”1927年の『ジャズ・シンガー』からNetflix最新作『ザ・プロム』に至るまで色んな作品を鑑賞してきたのですが、それでも不動の1位はやっぱり2007年版『ヘアスプレー』だなと…。あの底抜けに明るい雰囲気、つい踊りだしたくなるキャッチ―な楽曲、そして目の覚めるようなポップな色彩感は世界中の老若男女誰が観てもハッピーになれる作品だなと思います。
オリジナルのブロードウェイ版(「glee」のマシュー・モリソンがリンク役)はYouTubeで断片的に観ただけだったので、全体の流れを今回で初めて理解できて嬉しかったです!映画版ではエンディングで流れる"Cooties"や"Mama, I'm a Big Girl Now"はストーリーの中で歌われる劇中歌なんですね。他にも映画版とは歌う人が違ったり、演出が異なるものもあって新鮮に楽しむことができました。

気になるキャストですが、エドナ役のハーヴェイ・ファイアスタインだけがブロードウェイ版からのオリジナル・キャスト。それ以外はクリスティン・チェノウェス、ジェニファー・ハドソン、マーティン・ショート、アリアナ・グランデ、デレク・ハフ、ダヴ・キャメロンなど、とにかくシアター、映画、音楽シーン…あらゆる方面から抜擢された豪華すぎる布陣!いずれもハマり役で、映画版とはまた違った個性があって全員素晴らしかったです。
その中でも個人的に気になったのが、人気司会者コーニー役のデレク・ハフ(ジュリアン・ハフのお兄さん)と、意地悪娘アンバー役のダヴ・キャメロン。コーニーは本作において最も難しい役どころだと思うのですが、本業がダンサーであるデレクが見事なダンスとともにスマートに演じていて、もうずっと見ていたくなるくらい心地よかったです。ダヴはディズニー・チャンネルの人気シリーズ『ディセンダント』の主役マルのイメージが強かったのですが、あのピンクまみれの衣装といいイタズラっぽい歌い方といい、すごく魅力的なアンバー像を作り上げていてとても良かったです。

先日観た『グリース・ライブ!』もそうでしたが、とにかくこれが”生放送”というのがすごすぎて…!次から次へとセットが転換してカメラ割もめまぐるしく変わるので、いったいどれだけの時間をかけてリハーサルするんだろうと気が遠くなります。エンディングは全員が揃って、ジェニファー・ハドソンとアリアナの"Come So Far"とともにカーテンコールなのですが、泣いているキャストもいてこっちまで泣きそうに…。まさに団結力と努力の賜物、エンタテインメントの真髄を教えてくれる素敵なミュージカルでした。
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