昨日の夢

血のお茶と紅い鎖の昨日の夢のレビュー・感想・評価

血のお茶と紅い鎖(2006年製作の映画)
4.5
お金では買えない愛、ハートを埋め込んでも鼓動しない抜け殻。優しく撫でて丁寧に注ぐ愛、巣立っていく鳥と胎内回帰。骨になった花と、命を息吹かせる花。暴力と慰め。赤い犠牲の上に成り立つ豊かさと、自然と調和した豊かさ。

強くて貪欲な白い生き物、そして弱くも優しい茶色い生き物。「愛」を巡るそれぞれの行動の愚かさや切実さが、ときに醜く、愛しく、切なかった。込められた意味をできる限り掬い上げるために、きっと何度も観ると思う。映像には終始不穏さが漂い不気味だが、それ以上に、濃密で美しい感情が紡がれた作品だった。とても好き。
昨日の夢

昨日の夢