つきたて餅

ワイルドライフのつきたて餅のレビュー・感想・評価

ワイルドライフ(2018年製作の映画)
4.2
処女作に作家のすべてが詰まっているのなら、ポール・ダノをこれから追っかけざるを得ない。
60年代、アメリカの片田舎に暮らす「家族」をめぐる小さな物語。

画面のバリエーションが多彩でドローンによる空撮やはやりの接写が目を引く。色彩のデジタル調整など、いまの技術の取り入れが果敢。反して、青みのペールトーンに統一され、水平垂直を意識して切り取ったであろうそれぞれのシーンはクラシカルで絵のように美しい。

大人の未熟さに振り回される子どもはたまったもんじゃないな、彼は一回ブチ切れて大人に一泡吹かせるくらいしてトントンだよ、などと思っていたらとても優しい大人な着地。なんとできたお子さんか、そしてわたしの狭量さよ…
主演の子がポール・ダノ本人に似てるので、自己投影なんだろうな。だとしたら超如才ないし、それを隠そうとしない自己肯定感もすがすがしい、見習いたい。創意工夫と聡明な優しさにやられました、劇場公開たのしみ。
つきたて餅

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