このレビューはネタバレを含みます
すごく美しい画のなかで、静かに壊れていく人生をただ傍観する。苦しくて心が泡立つ。
次第に、この空気はかつてわたしが子供だった頃にも感じたし、この妻はわたしかもしれない…と思えてくる。
ずっと崖の淵に立たされているみたいな感覚だった。いや、ずっと崖の淵に立たされてんです今も。
こうやって、観終えたあとに自分の立ち位置を振り返ることの出来る映画はすごく好きです。
笑わせも泣かせもせず、ここまで心を揺さぶる演出はすごい。ポール・ダノすごいよ。
そしてラストカットがめちゃくちゃ良くて、暗転したあとにすごく涙が出てきて、なのにエンドロールが良心的なまでに短くて困った。
