父親がリストラされたことを告げるシーンを皮切りに、ラストの再会のシーンまでの間、家族3人が同じフレームに収まるシーンはない。映るものに全てを語らせる。
息子は修繕を試みる。トイレだって、家族だって。一線を超えないように、形が崩れないように。
心は音を立てず摩耗し、すり減る。時が過ぎるのを待つ。
迎えに走る、走り去る。火を消す、火をつける。やり場のない無慈悲なまでの対比。
そして、誰かがフレームアウトしないように写真に残す。
完璧です。ありがとうポール・ダノ、ゾーイ・カザン。
息子役の眼差しの演技もめちゃうまい。
ヨハン・ヨハンソンを偲んで。