YukiSano

さらば愛しきアウトローのYukiSanoのレビュー・感想・評価

さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)
3.8
さらばアメリカンニューシネマ。
さらば70年代。さらば永遠の2枚目。

暗いアメリカンニューシネマの中で、何故か飄々として明るく軽妙な持ち味だったレッドフォード。

子どもの頃に大好きだった「スティング」のその後のように軽快な味わい。全くハラハラさせず、ほとんどアクションがないのに面白い。老獪な省エネ強盗映画という痛快さがミソ。

最近は20世紀エンタメを総括するような映画ばかり。みんな重くて苦い。70年代80年代の伝説達が終わりを迎える哀しさ。アイリッシュマンのデニーロやパチーノ、老人映画の極みであるイーストウッドなど皆が人生に責任を取り始めた中で、同じ時代を生きたレッドフォードは笑ってオシャレ怪盗のように、颯爽と逃げていった。

こんな人生の締め方があるのかと驚くほど小気味良い。こんな風に生きようと思う。
YukiSano

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