泳ぐマシュマロ

私とあなたのオープンな関係の泳ぐマシュマロのレビュー・感想・評価

3.8
映像、音楽、雰囲気がとても好み。思いがけず良かった。
マーティンとガビの恋愛の形は両論あると思うけど、彼ら含め登場人物たちの心の動きは、私にとっては自然で、なんとなく同じようなことを考えていた自分の胸に刺さった。

新しいものへの欲望に正直に生きるガビ、さりげなく複数分野の学位を持っていたり、現代女性っぽいなぁ。言いたくない過去をいくつか抱えるマーティンのほうが、根は普通の男性という感じ。

新しいものの刺激って、楽しいけど、永遠に新しいものなんてない。虚しい。どっちが良いとかではなくて、でも安定したものがあるからこその新しいものの新鮮さがあるわけだよね。

結局、人生は一人だ、ということに行き着くのは、この映画に限らず、数年前からの私の思考の終着点なんだけど、中々のエグい痛みを与えてくる映画だった。
自分の幸せは、自分で努力して追い求めないといけない。そこにもう一人誰かがいるなら、その人との関係を保つためには自分が努力しないといけない。それには退屈とかルーティンとか失望とかいろんなことがつきまとうかもしれなくても、それは価値のある退屈で、人生から逃げることより百倍意味のあることなのだと思う。

それにしてもやっぱり邦題がダサい。かといってnewnessのうまい訳も浮かばないので難しいところ。