やち

羅生門のやちのネタバレレビュー・内容・結末

羅生門(1950年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

「羅生門」1950,日本,大映
監督:黒澤明
原作:芥川龍之介「藪の中」
主演:三船敏郎、森雅之、京マチ子、志村喬
第12回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞
第24回アカデミー賞名誉賞

・証言の食い違いから、人間のエゴや欺瞞などを炙り出し、徹底的に人間の醜さを全面に出した作品。三船敏郎、京マチ子の狂気的な笑いと絶望する志村喬と千秋実の顔も印象的。証言の中だけに留まらず、羅生門の下で赤子を契機に同様のエゴについての問答があるのが良い。ラストシーンは、それでも人間を信じていこうとするエンディングで、ギリギリ報われたなって思った。人間の醜悪がこれでもかと観られる作品だった。
・木漏れ日の使い方が良かった、人物の心の揺れや陰を落とし込もうとしている気がした
・カットはちょい長めの印象だった、もうちょい削ってもいいような、志村喬が死体を発見する時の演出が好きだった、第一声が際立ってるなーって思った
・証言のシーン、対話の構図だけど声は本人のみっていうのが良かった
・赤子の泣き叫ぶ声と、志村喬、千秋実の失望しながらも口論する場面が、人間の醜悪と対峙した人間の姿だなと思った
・やっぱり天気は雨だよね
そして最後雨は止むよね

・「羅生門効果」同じ出来事を複数の人間の視点から描く手法
当時タブーだった太陽にカメラを向けることにも取り組んだ、光と影のコントラスト
世界的に無名な日本映画に脚光浴びさせた映画だった
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