カプチンバード

羅生門のカプチンバードのレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
5.0
すごくミニマルだけど晴れやかな気持ちになるので、好きです。

朽ち果てた羅生門の前に集まる3人の男、木こり・僧侶・盗賊。木こりと僧侶が盗賊の男に今日見た恐ろしい光景を説明する…。あの小説の羅生門と違うじゃん!?藪の中じゃん!

まず木こりが森に入るシーンが凄い。
様々な角度から木々に差し込む光や風に揺れる葉っぱが凄いんです。口では言い表せないものがあります。

主題は今日見た事を6人の視点から明らかにする裁判法廷ものと見ていいと思う。人によって証言が食い違う中で何が真実か「わからない」。みんな自分の都合の良いように語って自分の過ちを隠してる。

でも最後は凄く温かい気持ちになるんです。死の空気が漂う巨大な羅生門の前で雨が上がり、一筋の光というか、確かな生命の営みが提示されるラストはすごく温かくスッキリする?んです。志村喬と千秋実の掛け合いが泣けるんです、

個人的に黒澤明監督の中で一番好きです。

※音が聞きづらいという人は、日本語字幕をONにして見ればいいんですよ
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