Ryohei

羅生門のRyoheiのレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
4.0
今でもハリウッドで絶大な人気を固持する、
戦後間もなかった日本が誇る黒澤映画。

今年のアカデミー賞でもまた、
ビリーアイリッシュの歌うイエスタデイと共に今年逝去された映画関係者の紹介がなされ、
その1人として世界的に『羅生門』で知られる日本人の京マチ子さんも紹介されていました。

『羅生門』と言えば芥川ですが、
本作は『藪の中』の原作を元にした作品。
ある殺人事件をきっかけに集められた目撃者の証言はそれぞれ異なっており、
他人を信じられるか信じられないか、
を考えさせられる深い作品。

今から70年前の映画ということでしたが、
完成度の高さに感服してしまった。
音楽の使い方が巧みであったり、
役者の演技も見事、
黒澤映画の凄さが伺える。

この作品が世界にウケた一つの特徴として挙げられるのが、
ある一つの事柄を複数人称視点により回想する形式。

キューブリックの『現金に体を張れ』
タランティーノの『レザボアドッグス』
なんかまさに同じような各キャラクターたちの回想により話が進展していくスタイルは、
今でこそ映画のスタンダードの一種として存在しますが、
この『羅生門』はそんな回想系映画のパイオニア的な作品として捉えられると言っても過言ではないかもしれません。
(複数人称視点という点では、
『桐島、部活やめるってよ』も似ていますし😇)

70年以上も前の作品と聞くと、
敬遠しがちかもしれませんが、
意外とノリが軽くキャッチーで
「無理です」は普通に笑ってしまった😭
Ryohei

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