ゆみんぐ

オン・ザ・ミルキー・ロードのゆみんぐのレビュー・感想・評価

4.2
すごい。クストリッツァ。エミール・クストリッツァ。初体験。初めて見ましたけど、すごいなこの人の映画。


三大映画祭を制覇してる監督の一人で九年ぶりの新作だそうで。見に行くのに覚悟が足りなかった。どんなもかな?って。軽はずみに見に行ってしまった。とんでもないわ。


隣国と戦争中の山中の田舎の村。多分セルビア?兵隊たちにミルクを運ぶ男が主人公でクストリッツァ監督ご本人。しかしこれは別に戦争映画ではない。愛の映画なんですね。


おそらく戦争で使わなくなった駅舎をそのまんま家にしたちょっとリッチそうなお宅の美人の娘さん、かなりヤンチャな性格で活発ですが主人公に惚れてます。戦地に行ったお兄さんのために、戦争ビジネス利用して、どこぞの収容施設から美人の娘さんを連れてきます。

夢はお兄さんとこの娘さんモニカ・ベルッチと、自分とクストリッツァのダブル結婚式!

ところがこの娘さん、英国軍の将校にほれられててひと悶着あったわけで、かなり執念深く想われてしまってるらしいとの噂。

そのうえクストリッツァとモニカ・ベルッチの見つめ合う視線に熱い何かが…。

なんか変な予感がしつつクストリッツァは、その駅舎の家の牛の乳を、戦地へ運ぶ毎日。乳を絞るのはモニカ・ベルッチ。

その道は、つまりミルキーロードなわけですね。



音楽!そして動物!神話的だし、映像の魔術としか言えないようなリアルなのに奇想天外な絵面!

音楽に歌と踊りと酒だろう!!みんなで笑おう!愛し愛されて生きよう!もう、そうとしか言えない。


スクリーンからエネルギーが溢れるなんて書いてあるけどほんとにその通りだよ。すげえよ。ただもんじゃないよ。


響いたのはこのセリフ、男は女の美しさに狂い、女は男の優しさに狂う、だって。ねぇ。今聞きたくなかった。


あとはもう、この映画の最後まで見て、ミルキーロードとは何だったのか、というのを見届けてほしい。悲しいまでに美しい壮大なミルキーロードが見られるはず。
ゆみんぐ

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