Scriabin

オン・ザ・ミルキー・ロードのScriabinのレビュー・感想・評価

5.0
ジャケ写に惑わされて思いっきり遊園地な映画かと思いきやすごいダークでした。アンダーグラウンドの時の圧倒的物量、えも言われぬ笑いのセンス、世界を虜にしたジプシー音楽は鳴りを潜め、涙と感動の反戦映画になっていました。アンジェリカの微笑みにも似た空中浮遊のシーンをはじめとして、映像技術によって作られたきれいでかわいい世界観がありました。不条理な現実を笑い飛ばすことはもうない。幸せな天国を夢見させることもない。そこにはただただ「生」があるだけ。崩壊後のユーゴスラビアがくぐりぬけてきた戦火の激しさがそこに表れていました。アンダーグラウンドから20年、色んなことが変わっても、監督の生命への愛は変わってないんだろうなと思います。