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逃げ去る恋のネットのレビュー・感想・評価

逃げ去る恋(1978年製作の映画)
4.0
息をするように不倫その3。大好きな離婚夫婦ものでもある。
縁で人々がつながっては離れてゆく。映画は別の時間・空間で撮った素材を繋げて作るものなので、ショット同士が時空を超えて共鳴するこの映画の美しさはとても原始的。現在の光景に過去の光景が重なる、現在の読書や会話によって過去の光景に新しい意味が加わる。
新しい小説の続きが書けないのはなぜか、現在も小説=ロマン(ス)が続いているから。中断された小説が再び始まるときのカメラワークが、この映画たちが始まった1959年のカメラワークと共鳴する。
ヒロインのドロテがメタクソにかわいい。ひたすらあざとく、服が常にピンク(冒頭のパジャマTシャツの胸にはスヌーピー。かわいい)で、ボクシング映画に怖がってレオーに抱きつく。胃もたれするレベルだけど、そのあざとさが細やかな動きにまで行き届いてて結果的に画面がとても豊かになっている。
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