Yuzu

ミスエデュケーションのYuzuのレビュー・感想・評価

ミスエデュケーション(2018年製作の映画)
3.5
日本にはあまり宗教が浸透してないし、
性についても目を背けている国。
でも、だから生きやすい国だと思う。
もちろん日本でも
周りの目や言葉に、傷を負った人がいる。
でも考え次第では
宗教に縛られることなんてないし、
自分がどんな性で生まれ
どんな性を愛するかは自由なはず。
全てに目を背ければいいから。

キリストの教えは
「神はいつも見ている」だから
性を持たない人は生きづらい。
決して何かを信仰していなくても
どこかで差別的なイメージを持たれている。
目を背けようとすると、
周りの目や言葉、酷化された自分の姿の方へ
無理矢理向けられる。
自分 を生きることを許されない。

日本では"珍しい人"と見られていることが
"罪人"として見られる。

キャメロン、ジェーン、アダムは
ここで言う 日本 なんだと思う。
目を背けることを知った。
そしてマークは
日本に広がる生きやすい世界への道を知り、
施設で生きた自分を捨て、
過去に強く生きた自分を蘇らせた。

今を生きる人間(特に10代)には
目を背けることを恥じないでほしい。
たとえ大好きな友達が、愛する家族が、
自分のことを"異常だ"と言ってきたとしても
恥じないでほしい。
相手に合わせる必要も、争う必要もない。
自分を生きればいい。

日本は、
良くも悪くも世間知らずだと思う。
これまでの自分は、
もっと性への理解を深める教育をすべきだと
考えていた。
でも、本当は知らない方がいいのかも知れないと
思わされた。
今後の日本の教育に
性のマイノリティへの関心を向ければ、
きっと日本人の多くは 同情と道徳心で
性を持たないことを罪と思わないだろう。
でも同情や道徳心はいらない。
むしろ、時に凶器となると思う。
本当に必要なのは
目を背けると言うことなのかも知れない。
正解はわからないけど、
新しい考え方を教えられた映画だった。
Yuzu

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