Akiyoshi

サスペリアのAkiyoshiのレビュー・感想・評価

サスペリア(2018年製作の映画)
2.5
「美しい悪夢」との表現が本作品にはしっくりくる。単純ではない表現に困惑するか惚れ惚れするかは受け手に任されるわけで好き嫌いがハッキリと分かれると思う。

監督が25年以上前、映画監督を目指していた当初から温め続けていた念願の企画。「サスペリア」のリメイクである。ショッキングなモニュメントから、レディオヘッドのフロントマンであるトム・ヨークが奏でる官能的な音楽が戦慄と不安感を煽る。怖いよりも不安が勝るこの感じ、「へレディタリー」でも感じた気がする。

本作品のビジュアルは強烈で、例えばポスターや予告編を見ただけで様々な想像が膨らむ。「どんな映画なのだろう」とイメージがどんどん膨らんでいく。「ありきたり」からは離れた境地に存在する作品で、剥き出しの狂気を描き、魅惑的な力を見せつけられる。グロテスクな表現に恐怖を体感しながら終わった後に感じたのは確かな安堵感。観る前も観た後も変わっていない強烈なビジュアルの嵐に私は未だに戸惑いを隠せない。
Akiyoshi

Akiyoshi