性犯罪にあった15歳の少女の生きていく姿をリアルに描いた実話ベースの映画。「自分が傷ものになって、結婚や幸せも掴めないという意識を持ってしまったがために、風俗、AVの世界に飛び込む性犯罪被害者は意外と多いんです」性被害にあって男を恐れ憎んでいるのに、なぜ男相手の風俗業界で働くのか。これは被害者じゃないとわからない気持ちなのだと思う。
レンズのぶ厚い眼鏡をかけていた少女。ド近眼という設定を生かした主観描写の撮影手法に感心した。観客は画面がぐらぐら揺れて気持ち悪いのだが、集団に襲われ眼鏡が飛んでしまった少女の視界そのものを体感しているよう。全編通して主観描写が多く、被害者である少女にシンクロしてつらくなる→効果は抜群だ！といった感じで、観終わった後しばらく座席から動けなかった。主人公を演じていた二人の女優（中高生→大人で女優が変わる）の体当たり演技と、久しぶりに見た陸大介のヤクザの成れの果て感が滲む佇まいが素晴らしかった。糖尿病のヤクザ……
つらい映画だったが、共感できる部分や新しい気付きがあり、観てよかったと思う。
