エルミタージュは、その存在を知った日からいつかは訪れてみたい憧れの美術館だ。政治的なイメージの強いモスクワと比べ、サンクトペテルブルクはヨーロッパに近い分、洗練された美しい街だという印象だったが、過去にこんな出来事があったとは。レニングラードがサンクトペテルブルクの旧名だということも、レニングラード包囲戦の悲劇も、恥ずかしながらこの映画を観るまで知らなかった。
歴史上の出来事が淡々と語られる構成で、ドラマチックな展開がある訳ではないが、歴史に翻弄されながらも、あれだけの美しい美術館を熱意をもって守り抜いてきた人達がいたという事実を知ることができるだけでも価値のある作品。歴史を知ってみると、ますますエルミタージュ美術館を訪れてみたくなった。