ぺんじん

バトル・オブ・ザ・セクシーズのぺんじんのレビュー・感想・評価

4.2
女と男の戦い?…いや、『バトル・オブ・セクシーズ』は偏見に挑む全ての人への応援歌だ!
当時のテニス女王だった、主人公ビリー・ジーン・キング。当時のウーマン・リブ運動に呼応するように、男子大会との賞金の格差是正を訴えたり、女子テニス協会を新たに設立したりするなど、当時のテニス会をグイグイ引っ張っていく姿は本当に逞しい!エマ・ストーンはテニス選手にしてはちょっと華奢な気がするんだけど、時折ゾーンに入ったような視線はまるでビリー・ジーン・キングが乗り移ったようで凄い!そして眼鏡!
そんな彼女に勝負を挑むのは、元世界王者で55歳のボビー・リッグス。最後に本人の写真が出てくるんだけど、スティーブ・カレルにソックリ!ドナルド・トランプみたいに「女性は台所か寝室にいろ!」的な事を結構言っちゃうんだけど、ギャンブル依存性だったり、男性社会の見栄の張り合いに疲れているような感じで描かれていて、単純な権威主義的な悪役では無いところが良い。
そんな二人が戦う「バトル・オブ・セクシーズ」という歴史的な一戦は、テニスシーンをサーブからポイントまでキッチリと見せてくれるので、スポーツ映画としても熱いし、最後のシーンはまさに『ロッキー』を思わせる熱さ!
ちょっと旦那が可哀想過ぎるような気もするけど、ビリー・ジーン・キングのヘアスタイリストとの同性愛も当時の社会状況も合わせてキッチリ描いていて(スタイリストもゲイ)、かなり今っぽいアメリカ映画。かなりメッセージ性が強い作品になっているので(やはり男性側が悪く描かれがち)、そこら辺で評価が分かれると思うけど、とにかく熱い映画だし、70年代の色々なファッションやヘアスタイルも見れるのが楽しい!フxxキング・マット・デイモン事変でお馴染みのサラ・シルヴァーマンも出てるし、当時の女性たちのパワーを感じれるのでもう最高です!
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