U子

バトル・オブ・ザ・セクシーズのU子のレビュー・感想・評価

3.6
エマ・ストーンとスティーブ・カレルなら観ないわけにいかない。
昔の方が良かったという言葉が時に発せられることがあるけれど、
今の方がいいこともたくさんあると私は思う。
特に女性にとっては。
女子の優勝賞金が男子の8分の1なんて、それが当たり前のようにされていたなんて。
そのことがきっかけで、29歳の女子チャンピオンと
55歳の元男子チャンピオンが勝負する。
ビリーが勝利するのは、女子として胸のすくような思いがするかもしれないけれど、
微妙な思いが同時に沸くのは私だけだろうか。
現役の男子チャンピオンに女子のチャンピオンが勝つことはない、
飽くまで55歳の元チャンピオンでしかない。
そこに男と女の体力的な肉体的な絶対差があるのだ。
だからこそ、今でも差別は無くならない。
女性の地位が昔より格段に上がっても、弱いことにはかわりない。
将来的にトランスヒューマニズムが進み、人間も半ロボット化した時には
もしかしたら平等になるのかもなんて。
まあ、そこまで考えてしまった。

男女の勝負だけではなく、同性愛の問題も描かれている。
ビリー・ジーン・キングがその後に与えた影響は計り知れない。
70年代のファッションや映像の雰囲気もうまく再現されていて、
それをみるのも楽しかった。
最後に本人の映像が流れるのだけど、
スティーブ・カレルのボビー・リッグスの再現度が半端ないのに驚いた。





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