パエリア太郎

バトル・オブ・ザ・セクシーズのパエリア太郎のレビュー・感想・評価

3.8
タイトルからビキニギャルが短刀で敵のアキレス腱を切り刻んだり、紐パンを履いたマッチョが未開のジャングルでサバイブしていく話を期待してた訳では勿論なくて
女って理由だけで不平等に扱う男をコテンパンにするって話だと思っていたのですが、実際はもっと遠くに投げられた話だなーって気持ちになりました。

ナウなジパングであっても女性だからという理由で不当な思いをしてる人や、自覚なき差別で窮屈な思いをしてる人も勿論居るとは思うのですが
一般的にそうかと云われたら、少なくともそんな事は無いと思ってます。

この映画の何が良かったって、話としての層の厚さといいますか、正義である筈の主人公がしてしまう、大切な人への裏切りと
男代表としてコートに立つプレイヤーは男女差別とは離れた所に負けられない理由があるという所で
冷静に考えれば、パフォーマンスとしてはイケてるけど、女性差別問題と女が男にテニスで勝つことって切り離してあげなきゃ危ういことだからこそ
男女関係ない自分らしく生きる!という今の感性にだってきちんと届くメッセージをテニス対決の裏側に織り交ぜてくれた事で、ちゃんと胸を打つ作りになってました!!
実話といわれたら、それまでなんですが、、、。

性の話だけでいうと友人に同性愛者が何人かいて、飲みに行って話を聞いていると、倹約のパラドックスじゃないですけど、皆がそうなると社会は破綻してしまうのではないか?!社会だけじゃなくて種としても破綻するって想像する事が有ったんですが、自分の思想の貧困さを思い知ったというか、自分らしく生きることを支える事ができる社会を目指せるまでに、きっと人類って成長したよね!なんてぼんやりとケツをかきながら思えました。

男女差別良くない!なんて当たり前の事として、次の話をしましょう!と、もっと踏み込んだピースな余韻がありました!
パエリア太郎

パエリア太郎