女子テニスの世界チャンピオン
ビリー・ジーン・キングの伝記的映画
男女格差に異議を唱える彼女に戦いを挑んだのは
かつての世界王者で男性優位主義のボビー・リッグス
実話を元にしたスポ根コメディという触れ込みだけど
男女差別というテーマにLGBT要素も織り交ぜ、
「自分らしさとは何か」を爽やかに訴えるメッセージ性のある良作。
実在のテニスプレイヤー、キング夫人を演じるエマ・ストーン
外見は地味で素朴だけど内側に熱い魂を秘めた人間味あふれるキャラクターを
枠にとらわれない彼女らしい演技で楽しませてくれます
カメレオン俳優として名高いスティーブ・カレルは
口達者な偏屈オッサンが本当にはまり役！
彼のパフォーマンスは滑稽そのもので、見どころのひとつ。
もうこの二人で番組やってほしい、最高のコメディアン。
またビリージーンを惑わす美容師マリリンも小悪魔的な存在感が際立っていて
そのほか主人公を取り巻く登場人物それぞれの個性も丁寧に描かれている
前半と後半で趣きががらりと変わるけど
70年代を再現した粗い映像とビビッドカラーを多用した色彩に
役者さんたちののびのびとした演技がのることでとても見応えが出て、
後味も良い。
こんな出来事があったことを知れただけでもすごく勉強になったし
過激な台詞はあるけど全体的に重すぎないので
エンターテインメントとしても十分楽しめる。
今だからこそ日本人に観てほしい
