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処刑の部屋のFeのレビュー・感想・評価

処刑の部屋(1956年製作の映画)
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陰影が強いので(胃潰瘍で床に伏している父を見下ろすショットがとても良かった!嘲りと虚しさ、消すことのできない父への愛情…)最後も血の色がどす黒くて凄い。ラストシーンのショットめちゃめちゃかっこよかったな。

そんなフィルム・ノワールみたいな映像なのに、ヤクザもどきみたいなことをしてふらふらしている学生しか出てこないので、彼らの未熟さと映像のかっこよさのギャップがもどかしかった。それに、主人公も主人公の周りもひたすらクズなのでもうひたすら苛々する。何が俺はやりたいことをやる、だよ、一番やりたいことが曖昧なのはお前じゃないか、人を物みたいに扱いやがって…と90分間呪いつづけていた。。

あと若尾文子さんが凄まじく知的で美しいのですが、もうひたすら男性的な理想化がされていて見ていて辛い。あんなことされたあとに主人公に惚れるわけないでしょ、とまたひたすら苛々する。
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