トノモトショウ

テオレマのトノモトショウのレビュー・感想・評価

テオレマ(1968年製作の映画)
3.0
極端に寓話的な物語だが、単にブルジョワジー批判と捉えるよりは、どちらかというと欲望を解放した末に訪れる虚無感を描いているように思える。そういう意味では、訪問者である男は神や悪魔という宗教的な存在なのではなく、一つの記号的な救済(あるいは破滅)そのものであって、現実に生きていれば何かのきっかけで我々にも訪れる可能性を秘めている。