テオレマの作品情報・感想・評価

「テオレマ」に投稿された感想・評価

あぶく

あぶくの感想・評価

3.7
ある日ミラノのとあるブルジョワの家庭に浮世離れした魅力的な青年がやってきて自然と居着いてしまう。その青年に家族や女中は精神的にも肉体的にも虜になってしまう。しかしきた時と同じように青年は突然去ってしまう。そして残された家族たちは青年の魅力に取り憑かれたまま崩壊の一途を辿る。
映像とミスマッチな音楽やパッチワークのように挿入される映像でいかにもアヴァンギャルドで難解な印象を受ける。
当時60年代の激動の時代を鑑みると、この青年の登場はいわば世界がひょんなことで変革してしまいこれまでの常識や社会構造が虚構のように崩れ去ってしまうことの象徴に思える。そして家族たちはの変貌は、これから世界がどこへ向かうのか分からないという不安と期待を象徴しているように思う。とはいえ、ブルジョワの家族は全員悪い方向に向かい女中は聖女に生まれ変わるというのはブルジョワへの当てつけのようにも思えるが。
これまで積み上げてきたものが虚飾であり実際は何も持っていないというブルジョワ階級の虚しさはラストシーンで象徴的に強烈に描かれる。
時代性を強く感じる作品。
ブルジョワの夫人がコテコテの化粧のまま普通に寝ているシーンは思わず笑ってしまった。
パゾリーニが難解に描く家族の崩壊。
裕福な家庭に訪問した1人の美青年が、家族全員と性的関係を持ち、家族の自我が爆発して崩壊へまっしぐら。
絶叫で終わるラストの素晴らしさ。
324

324の感想・評価

4.0
「あなたといる時の私が本当の自分」なんていう空虚さ。不確かなものを代償しようとしたら、そりゃ他人から見たら訳分からんことになる。だけども、それを描くとなると、モチベーションが明確で分かりやすい。
『桐島、部活やめるってよ』ってやっぱり宗教映画っぽいんだなと思った。
Moeka

Moekaの感想・評価

3.8
『故に神、荒野より民を導きたまえり』誤った安泰から抜け出すきっかけを与えてくれた聖性と官能を併せ持つ青年はエホヴァの使者であった。所有概念を放棄する。パゾリーニによるブルジョワ批判と現代の家族の崩壊。荒涼とした風景が人間の心情を表している。心象風景を表すシュールに見える描写が多々続き台詞自体にパゾリーニの思想が入りまくりなためやはり観るのは難解。青年を演じる獣にも天使にも見えるテレンススタンプ万歳!ちなむと郵便屋の青年はパゾリーニの愛人です
marika

marikaの感想・評価

4.0
裕福な家庭に一人の美青年が混ざり込み、家族全員と関係を持つことで本当の自我に目覚めた家族は徐々に崩壊していく。せいせいするほどのブルジョワ批判。
「君は破壊しに来た、君は私の全てを破壊しに来たのだ、私は秩序や未来、所有の観念に慣れ切った男だというのに」という台詞が好きだし、
信心深いメイドだけが聖女になる過程でこれは宗教映画でもあるんだなと。ベーコンにはなれない長男が絵を描いて何たる痛み!俺は大馬鹿野郎だ!と笑い出すシーンも好き。
何はともあれ、ファザコンでメンヘラのヴィアゼムスキー可愛い。これが一番言いたかった。
さとう

さとうの感想・評価

2.3
情報量の少ないゴダール。これはベルトルッチだがラストタンゴ〜にもあったフランシスベーコンの引用があり少しばかり通じるものがある。ジャズやオペラ、作家の悩み、性、宗教的場面が私にはどこか空々しく映った
興味をそそられる展開
脳裏に焼き付くシュールなショットなど
結構、好きな感じだったので楽しめましたが
中盤から何が何やら全く分からず、、
なんたる痛み!僕は大バカものだ!で抱腹絶倒したけど目からは大量の涙が溢れ出た

わたしは自分が無価値で馬鹿で劣等であり蛆虫同然の存在、絶対的ではない存在であることに気付かないために映画を観てるのにがっつり言われてビビったやめてほしい
そう、震えおののく低脳で偶然に頼り恥ずかしがって何かが永遠に失われてしまったと感じて人生を滑稽で悲哀なものに変えてしまったの。

草の緑がチャーリーとチョコレート工場の工場内のお菓子でできた草並みの色してるの気になった
鮮烈なのは花弁のような紫のアイシャドウ
KICCO

KICCOの感想・評価

4.0
この難解な感じがたまらなく好き
セリフも少ないし、ほんとに好きっす。
ILC

ILCの感想・評価

4.8
パゾリーニのベスト。ゴリゴリの宗教映画だから解説がないとわからない部分が多々あるけど、こういう得体の知れぬ人物が家族の元にやってきて、その家族に何かしらの強い影響を与える系超好き。

シュールな画がたくさんあるからただ観てるだけでも充分だったけどね
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