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メアリーの総てのrouのネタバレレビュー・内容・結末

メアリーの総て(2017年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

 十九世紀初頭のイギリス。作家志望者・メアリーが名著「フランケンシュタイン」を上梓するまでの約二年間を、恋愛中心に追った物語。
 自由主義に則った不安定な恋愛模様が耽美的かつ冷笑的に描かれ、それだけなら村上春樹を読めば済むような話だったが、終盤ではもう一つのテーマである「女性の自立」に焦点が当てられており、このグラデーションは見事である。
 説教くさくなく、被害者意識の程度に関しても、芸術としてのルサンチマンの枠組みにきちんと収まっていたように思う。
 ただ、全体として、男達をこれでもかとクズに仕立てている。そのせいで、彼らに対する反骨精神が成長の原動力として機能している感があり、結局は「男達の一挙手一投足に対するアンサーとしての精神的自立」という形に落ち着いたように見えたが、それは真に自立した女性と言えるのか、疑問が残った。

【自分用プロット】
1. 実家の書店にて、亡くなった母に思いを寄せる
2. 詩人のパーシーと出会い恋に落ちる
3. パーシーが妻子持ちだったと知る
4. 駆け落ちと極貧生活
5. 臨時収入(多分借金)のおかげで生活がマシになる
6. 妊娠
7. パーシーの友人からキスを迫られる
8. 自由恋愛についてパーシーと口論
9. 生体電気ショーでバイロン卿と知り合う
10. 義妹・クレアがバイロンと交際する
10. クララを出産
11. クララの死
12. クレアとパーシーの浮気
13. バイロン邸に居候
14. クレアを傷つけるバイロン
15. パーシーの妻が自殺
16. バイロン邸を出てボロ屋に戻る
17. 小説を書き上げる
18. 若い女であることを理由に出版を断られる
19. パーシーの名声を借りてどうにか匿名での出版にこぎつける
20. 長く絶縁していた父から出版記念会に招かれる
21. 記念会で作者は自分だと明言
22. パーシーと和解し結婚する
23. 「フランケンシュタイン」をショーウィンドウに飾る父

終わり
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