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メアリーの総てのyossieのレビュー・感想・評価

メアリーの総て(2017年製作の映画)
4.0
おそらく劇場で観るのでは今年最後の作品。
最後を飾るには申し分ない作品でした。

少なくともフランケンシュタインの小説を読んでおくべきだったと後悔した。
映画の中でエミリーの尊敬する作家でもある父親は、この本は「人間関係の重要性」を描いていると言っていた。
この映画はフランケンシュタインが出版されるまでの彼女の人生の一部の映画であるけれど、そこで描かれているのは様々な愛の形と苦悩、後悔、葛藤。

富裕層出身の道楽者で恋愛自由主義者の詩人のパーシーとの同棲生活。勝手に借金を作ったり、生活に責任を負おうとしない彼。さらにエミリーを愛しながらも彼の友人に迫られた事を告白する彼女に自由恋愛がいいと言いながらなぜ彼と付き合わない!?とまで言ってのけてしまう。エミリーはパーシーとの生活に悩みながらも彼へのその愛は変わらない。
自分が生まれた事で尊敬する母が亡くなったこと、死なせてしまった子供への罪悪感、父への尊敬と愛情。バイロンの子を宿しながら愛を得られなかった義妹のクレア。
沢山の愛と苦悩と哀しみがひしひしと伝わってきました。
後半パーシーがメアリーの辛かった日々をようやく理解してくれたのはせめてものの救い。
その人生のごく僅かの波乱に満ちた期間の集約があったからこそフランケンシュタインという小説が生まれたというのならやっぱり小説は一読すべきかもしれない。

エル・ファニング、可愛らしくて素敵。イケメンダグラス・ブースとのペアはとてもお似合いでした。
久しぶりにプログラムまで買ってしまいました。
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