たく

メアリーの総てのたくのレビュー・感想・評価

メアリーの総て(2017年製作の映画)
3.5
文学者の両親を持ち、思想も性も自由な母親の強い魂を受け継いだメアリー・ゴドウィンがフランケンシュタインの物語を生み出すまでのいきさつを描く話。
彼女の16歳から18歳までの話で、エル・ファニングがまだあどけなさを残しつつ、人生の苦悩を圧縮体験した果てに作品を産み出す役にぴったりだったね。

怪奇小説を読み耽ってるのを偉大な文学者の父に隠してて再婚の継母とも折が合わず、居心地の悪さから父に休養に出されたスコットランドで出会った運命の人みたいな男と恋に落ちたところで、こいつが女たらしのとんでもない奴という、まあありがちな話。
‥かと思うと、これが意外に意外な展開になるんだよね。

いかにも変態な感じのバイロンと対比される真面目な医者にメアリーは女としての幸せな人生をちょっと夢見たと思うんだけど、作家としての血がそうさせなかったね。

空模様が心象風景みたいに何度も出てくるのが印象的だった。
たく

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