かたゆき

ティーンスピリットのかたゆきのレビュー・感想・評価

ティーンスピリット(2018年製作の映画)
3.0
イギリスの小さな島で貧しい母子家庭に暮らす17歳の少女、ヴァイオレット。
歌うことが大好きな彼女は、週末ごとに場末の酒場で酔っ払い相手に歌声を披露していた。
だが、ほとんど人生にくたびれた親父ばかりで彼女の歌なんて誰も真面目に聴いちゃいない。
保守的な母親は、そんな彼女に小言ばかり。
溜息ばかりの鬱屈した日々を生きていたヴァイオレットはある日、この島でテレビの大型オーディション番組「ティーンスピリット」の予選があることを知るのだった。
「誰でもいい、私の歌を真剣に聴いてほしい」――。
退屈な日常から逃れるかのように会場へと向かった彼女は、思いっきり歌声を披露し、無事予選を通過することに。
だが、二次予選に出場するには保護者の同伴が条件。仕事が忙しい母親にはとても頼めない。
酒場で唯一自分の歌を真剣に聴いてくれていた、酒浸りの元オペラ歌手にマネージャーとして付いてきてもらうように頼み、ヴァイオレットは急いで会場へと向かうのだった。
そしてそれが彼女の人生を大きく変えることに……。
地方でさえない日々を送っていたティーンエイジャーが、持って生まれた才能だけを武器にスターへの階段を昇っていく姿を描いた青春サクセス物語。

僕のお気に入りの若手女優エル・ファニングちゃんが自らの歌声まで披露しているということで今回鑑賞してみました。
正直、ベッタベタでしたね、これ。何処かで見たようなストーリーに何処かで何度も聞いたような楽曲の数々、そしてステレオタイプな登場人物たち……。
もう何もかもが薄っぺらいです。
人気歌手のMVを引き延ばしたものに毛が生えた程度のものでしかありません。
だいいち、この酒浸りの元オペラ歌手にどうしてそこまで主人公が肩入れするのか、さっぱり説得力が感じられない。
このおっさん、偉そうなこと言って車出してるだけで大したこと何もしてませんって。
致命的なのは、最後、この大会の決勝で彼女が歌う曲が一切心に響かないという、ね(笑)。

とはいえ、主役を演じたエル・ファニングちゃんは終始キラキラしててもう可愛いったらありゃしなかったです。
彼女が健気に歌を披露するシーンなんてサイコーでした。
という訳で、毒にも薬にもならないぶん最後までストレスなく観ていられるし、彼女のイメージ・ビデオとしてなら充分楽しめるんじゃないでしょうか。
かたゆき

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