かたゆき

ブランデッドのかたゆきのレビュー・感想・評価

ブランデッド(2012年製作の映画)
1.0
資本主義社会がすっかり定着した現代のロシア。
様々な情報が溢れ返るモスクワでCMプランナーとして華々しく活躍するミーシャは、ある日、社長の姪っ子である美しい女性アビーと出会う。
「俺の姪っ子に絶対手を出すなよ」という社長の忠告も忘れ、彼はすぐ彼女と付き合うことに。
仕事場やタクシーの中で、何度も身体や唇を重ね合わせる2人。
だが、そのことが社長にばれると、ミーシャは圧倒的な力でもって業界を干されてしまうのだった――。
6年後、何もかもを捨て地方で牛と共に質素な生活を送っていたミーシャ。
ある日謎の牛の導きによって商品マーケティングの効果を自在に見通す能力を身につけた彼は満を持してモスクワへと帰ってくる。
その謎に満ちた能力でもって社会を変え、復讐を果たすために……。
世の中の安易な風潮に流されやすい現代人の心理を、グロテスクなCG描写でもって風刺的に描く一風変わったSF作品。

なんだけど、いやー、久し振りにこんなにもクソつまらない映画を観ちゃいました。
監督が、今までにないような映画を創ってやろうと意気込んでいるのはビシバシ伝わってくるのだけど、残念ながら完全に実力が追いついていません。
シリアスなのかコメディタッチなのかどっちつかずの中途半端なストーリーは、基本的な部分がおろそかになっているせいで、最後までさっっっぱり頭に入ってきませんでした。

大衆の肥大化した欲望が寄り集まり巨大な怪物となってモスクワの空を駆け巡る肝心のクライマックスも、ただ単に奇をてらっただけの凡庸なものでセンスなんて欠片も感じなかったし。
うーん、なんだか監督の独り善がりの自慰行為を無理やり見せられたような、そんなモヤモヤとしたヤな感じの後味だけが残る不愉快な作品でありました。

うん、最後にもう一度だけ言わせてください、「クソつまんなかったよ、この映画!」。
かたゆき

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