JIZE

ガルヴェストンのJIZEのレビュー・感想・評価

ガルヴェストン(2018年製作の映画)
3.0
驚くほどシンプルで捻りがない。逃避行ものとしての古典が繊細に紡ぎ出され貫かれている。本作は余命いくばくもなき男と孤独の片鱗を背負った不安定な少女の行先もわからぬ知らぬ超自然的なロードムービーである。避暑地ガルヴェストンの場所が本作の起点となり文字通り"特別"に描き込まれているが、センチメンタルな雰囲気が彼らの心境を優しく包み込んでいた。全編は静観さが際立ち波を打つような破壊的なシーンを期待してたため肩透かし感はやや否めないが。ファニングとベン・フォスターの好演がそれらの野暮ったさを打ち消していたように思う。それまで捨て身だった両者が転機を迎えるエモーショナルがあった。最後、エンディングのカントリー調の楽曲が枯渇した心を潤してくれます。
JIZE

JIZE