映画好きの柴犬

孤独なふりした世界での映画好きの柴犬のレビュー・感想・評価

孤独なふりした世界で(2018年製作の映画)
3.8
本当の孤独とは?

 人類が突然絶滅した世界。ただ一人生き残り、湖畔の小さな街で死体を片付けながら暮らす男デル(ピーター・ディンクレイジ)の元に、ある日一人の少女グレース(エル・ファニング)が現れることで、男の生活が変化していく。

 終末ものSFドラマ。前半、美しい映像で淡々と描かれるデルとグレースの暮らしと関係性の変化が味わい深かった。しかし、初見の時は、終盤の急展開についていけず(字幕の説明は言葉足らず)、頭の中が?マークだらけで終わってしまった。いろんなレビューをみて、やっと話が理解できて、そうすると前半のシーンの意味合いもより深くなった。

 孤独だった男が、本当に一人になった時、街の人の遺体や遺品を整理しながら、その人たちのことを思い返し、孤独でなかったことを理解する。一方、少女のいた世界では、悲しみの感情と共に死んだ人たちを封印しようとしている。少女が来たのは、言ってみれば「孤独じゃないふりをした世界」からだったのだろう。