不治の伝染病が蔓延し、都市部を離れ、山奥の一軒家でひっそりと暮らす家族。
隔離され、厳しいながらも一定の秩序の元生活する我が家へ1人の男がやって来る。真夜中に。
世界観と雰囲気が良い。
荒廃した世界ゆえの緊張感が続く。
家族を守る信念の元に動き続ける父親が良い味出してる。
その徹底された信念がキャラとしてすこぶる格好ええし、作品全体の緊張感の源になっていたと感じる。
感情の起伏が丁寧に描かれている息子がこの映画の主人公かと思われるが、この息子もええ感じ。
子どもなんだけど、大人の側面を持つ17歳ってのが良い。
大人ほど事態を割り切って見れなくって、その感覚が観客とリンクするから感情移入し易い。
徹底した閉塞感と絶望感に要所の格好いいカットで魅了された。
説明不足な感も否めないけど、その物足りなさより、のめり込める世界観で個人的にはそんなに気にならなかった。
シナリオにそこまでの目新しさは無いけど、雰囲気が良くって面白かった。
良い作品。