クリストフォルー

北の桜守のクリストフォルーのレビュー・感想・評価

北の桜守(2018年製作の映画)
3.9
日本映画の中でも“母子もの”はやはり大定番で、特に太平洋戦争が絡むものが多くなる理由は、放映中の『朝ドラ』を見てても分かる。”自己犠牲”こそが、これまでの日本の母の理想像だった。もちろん、現在は“毒親”として描かれることも多くなったが。
菩薩のような慈母を演じて違和感を持たれない最後の女優・吉永小百合を、フルに活かせる演出を模索して、この構成に辿り着いたのだろうが、万人向きではなかったかな。
私は「樺太 1945年 夏 氷雪の門(1974)」から始めて、舞台作品も、劇団四季の『昭和三部作』や『PARAMUSHIR〜信じ続けた士魂の旗を掲げて(2018)』『NODA MAP エッグ(2019)』となぞることができ、演劇パートも愉しめたが、それでも、ロケ部分との落差の大きさは感じた。
1970年代の狸小路パートは、堺と篠原のために作られたのだろうが、倍返さない『半沢直樹』だね。毎熊克哉は無駄遣いで残念。
樹木希林でも田中裕子でもない、吉永小百合は吉永小百合のままでいいのかも。
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